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男性不妊情報

顕微鏡下精索静脈瘤手術が保険適応になりました。

精索静脈瘤は精巣から体内に還る精索の逆流によって生じ、男性不妊の原因の20%前後を占めると言われています。

これは手術によって根治する事が可能で、根治した場合は精液所見が改善する事が広く知られています。

精索静脈瘤の手術には、血管を鼠径管より上で切断する高位結紮術と、鼠径管より下で切断する低位結紮術、

腹腔鏡を用いた顕微鏡下低位結紮術がありますが、現在は顕微鏡を用いた低位結紮術が主流となっています。

 

その理由は

①低位結紮術の方が、再発が少ない

②陰嚢水腫の合併が少ない

③創が小さく痛みも少ないからです(図参照)

 

しかしながら、最近まで顕微鏡下手術は保険適応が通っておらず、

クリニックでの日帰り手術は自費で20万円程かかる施設がほとんどでした。

ところが、日本泌尿器科学会を中心とする要望が通り2018年4月の保険診療報酬改定により

顕微鏡下精索静脈瘤手術が保険適応となりました。

これに伴い当院でも保険診療での日帰り手術が可能となりました。自己負担は約4万円になります。

手術は局所麻酔で行い手術時間は片側で約1時間です。

術中少し眠くなる鎮痛剤を使用する事もありますので、術後はリカバリールームで2時間ほど休んでいただき、

創部の確認などを行った後に帰宅していただきます。手術に関しては複数の医師が執刀しますが、

いずれもこの手術の経験を100例以上有する泌尿器科専門医が行います。

(文責:医師部門 江夏徳寿、理事長 塩谷雅英)