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男性不妊情報
先日、適度な運動は精子力を上げるがやり過ぎは逆に精子力を下げてしまうという記事(スポーツと精子力の関係 その1、その2)を紹介いたしましたが、女性の場合はどうなんでしょうか?
本日は女性の運動と妊娠までの期間を調べた研究を紹介します。
A prospective cohort study of physical activity and time to pregnancy. (運動と妊娠までの期間を調査した前向きコホート研究)
これはアメリカのWise氏らが2012年にFertility and Sterility誌に発表した論文です。
この研究ではアメリカで妊活中の3628人について運動と妊娠の関係を調査しています。
運動についてはハードな運動(ランニング、スポーツサイクリング、エアロビクス、水泳など)、軽めの運動(ウォーキング、レジャーサイクリング、ゴルフ、ガーデニングなど)に分けて調査をしています。
早速結果を見てみましょう。
上の表は運動時間と妊娠率比を見たものです。妊娠率比とはやや複雑な算出方法ですが、簡単に言えば1.0を基準として、高ければより妊娠しやすく、低ければなかなか妊娠しないと解釈される値です。
ちょっと意外な事にハードな運動の群では運動時間が増える程に妊娠率比が下がっています。一方で軽めの運動の群では運動時間が増える程妊娠率比が上がっています。総運動量でみてみると、ある一定のラインまでは運動によって妊娠率比が上昇するものの、それ以上になると妊娠率比が下がっています。
それでは、ハードな運動はダメなのでしょうか?
次回はハードな運動について詳しく見てみますね
(文責:医師部門 江夏徳寿、理事長 塩谷雅英)