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胚盤胞から細胞を取るって、着床前診断は安全なの!? 赤ちゃんの体重は

着床前診断は移植する前の細胞を少しだけ採取して染色体異常が無いかどうか確認する方法ですが、これは本当に安全な方法なのでしょうか?

今回はその様な観点から調査された下記の研究について紹介しています。

 

Report on a consecutive series of 581 children born after blastomere biopsy for preimplantation genetic diagnosis
(着床前診断後に出産に至った581例の報告)
前回は、胚盤胞から細胞を取るって、着床前診断は安全なの!? その手技について

ということで、細胞を取る方法についてお話ししました。

 

では、この検査を受けて生まれた新生児は実際にどうだったのでしょうか。

 

まずは出生時体重の比較を見てみましょう。

 

 

上の表を見ると、単胎、双子、三つ子となるにしたがって出生時体重の平均値は下がっていくのが分かります。

着床前診断後と通常の顕微授精を比較すると、単胎、双子では出生時体重に差がない事が確認できますが、三つ子では着床前診断後の方が小さい子が生まれているようです。

 

 

続いて、低出生体重児(2500g以下)と超低出生体重児(1500g以下)の割合を見ています。

先ほどの結果と同様に、複数児(双子か三つ子)の場合は着床前診断後の方が通常の顕微授精後の出産よりも低出生体重児の割合が増えている事が分かります。

ただ、単胎の場合や超低出生体重児の割合については両群間に差は無いようです。

 

次回は、新生児死亡の割合、先天異常の割合などについての結果も見てみましょう。

 

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胚盤胞から細胞を取るって、着床前診断は安全なの!? その手技について

 

(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)

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