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胚のグレードによって妊娠後の経過は変わるのか? その3

移植された胚のグレードによって、妊娠後の経過について違いがあるのでしょうか。

 

今回はその様な疑問について調べた研究のうち、胚のグレードと移植・妊娠後の成績についてまとめた研究を紹介しています。

 

胚のグレードによって妊娠後の経過は変わるのか? その1 その2もご参照ください。

この研究では40歳以下で新鮮胚移植を行った1541例のうち、良好胚と不良胚に分けて結果を比べています。不良胚とは初期胚であればグレード3,4の初期胚を、胚盤胞であればグレード3BB未満と定義しており、グレード2の初期胚や3BB以上の胚盤胞を良好と定義して、

初期胚は採卵後2日目か3日目に移植し、胚盤胞は5日目に移植して16日目に妊娠判定を行っています。

 

結果の続きを紹介していきます。

 

 

続いて、周産期合併症として母体の合併症と新生児の合併症をいくつかの項目で比較しています。

良好胚群での合併症頻度を1.0として合併症の起こりやすさをオッズ比で求めています。

これを見ると、妊娠高血圧症などは不良胚でやや起こりやすそうですが、いずれも95%信頼区間、調整後99%信頼区間が1.0をまたいでおり、P値で見ても有意な差とはいえません。
ということで結論としては、

・良好胚の方が不良胚と比べて妊娠率は高いが、妊娠してしまえばその後の合併症頻度は変わらない。
ということでした。
この研究はパイロットスタディという位置づけなので、また続報が出ましたら報告いたしますね。

 

(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)

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