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男性不妊情報

胚のグレードによって妊娠後の経過は変わるのか? その2

移植された胚のグレードによって、妊娠後の経過について違いがあるのでしょうか。

 

今回はその様な疑問について調べた研究のうち、胚のグレードと移植・妊娠後の成績についてまとめた研究を紹介しています。

この研究では40歳以下で新鮮胚移植を行った1541例のうち、良好胚と不良胚に分けて結果を比べています。不良胚とは初期胚であればグレード3,4の初期胚を、胚盤胞であればグレード3BB未満と定義しており、グレード2の初期胚や3BB以上の胚盤胞を良好と定義しています。

 

初期胚は採卵後2日目か3日目に移植し、胚盤胞は5日目に移植して16日目に妊娠判定を行っています。

それでは、結果を見ていきましょう。

 

 

やはり妊娠率では良好胚で41.5%、不良胚で19.2%と有意に良好胚の方で結果が良い事がわかります。

同様に出産率でみても32.3% vs 15.5%と良好胚の方が有意に良い結果でした。
ただ、妊娠症例の中での内訳をみてみると、良好胚、不良胚で出産率、流産率などに差はない事が分かります。

 

次回は、母体と新生児の合併症についても見てみることにします。

 

(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)

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