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男性不妊情報
今回は特に女性の肥満と体外受精の結果について検討した研究をご紹介しています。
その1では、
肥満の方ほど、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の頻度が高くなっている。
逆に肥満の方ほど、パートナーの精液所見異常の割合は少ないという結果をお話ししました。
では、妊娠率や出産についてはどのような結果になっているのでしょう。
実際の妊娠、出産のデータをまとめたのが上の表になります。
BMIが上がるとともに、妊娠率が低下し逆に流産率が上昇しています。
結果として肥満の方ほど、出産率が低くなっている事が分かります。
なお、BMI18.5未満のやせ型の方に関しては有意差はついていませんが、標準体重に比べると若干妊娠率、出産率ともに低めです。
ちなみに、この研究ではPCOSの方だけを集計したサブ解析も行っていますが、そちらでも同様の傾向を認めており、PCOS以外にも肥満自体が妊娠に悪影響を与えている事が示唆されました。
では、どのようにして肥満が妊娠に悪影響を及ぼしているのか?そのメカニズムはまだ良く分かっていません。
いずれにせよ結論としては、
・肥満は体外受精の結果に悪影響を与える。
ということでした。
ではどうしたらいいのか?やはりバランスの良い食事と運動が大切です。
食事に関しては、以前当ブログでも紹介しましたように和食や地中海食がお勧めです。(地中海食の女性は妊娠・出産率が高い)
また、肥満の方ほど妊娠に対する運動の効果が高いという事も確認されています。(運動と妊娠力の関係 その1 その2)
当院では、管理栄養士による「ニュートリションサポートセンター」を設けて、栄養指導をさせていただいておりますので、こちらも利用ください。
妊娠にむけたエクササイズとしてbe-マザースマイルビクス教室も開催しています。無理のない範囲で楽しんで続けていければいいですね!
下記の記事もご参照ください。
NSC(ニュートリションサポートセンター)のカウンセリングって?
(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)