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男性不妊情報
精索静脈瘤手術に関して以前、(以前の記事は下方のリンクよりお読みいただけます)
高度乏精子症の方でも精液所見が改善するということについてお伝えしましたが、精液所見が改善することで実際に妊娠率が上がるのでしょうか?
本日はそのような疑問に答える研究をご紹介したいと思います。
Clinical Outcome of Intracytoplasmic Sperm Injection in Infertile Men With Treated and Untreated Clinical Varicocele
(精索静脈瘤を手術した場合と手術しなかった場合での顕微授精の臨床成績)
この論文はブラジルのEsteves氏らが2010年のFertility and Sterility誌に報告した研究です。
この研究では242人の精索静脈瘤と診断された男性不妊患者さんのうち、手術を行った群80名と手術を行わなかった群162名で臨床経過を比較しています。
早速結果を見ていきましょう。
上の表は手術を受けた群の手術前後の精液所見の変化と手術を受けなかった群の精液所見を比較しています。
手術群においては術後に精子濃度、総精子数、総運動精子数、精子形態スコアなど多くのパラメータ―で有意な改善を認め、非手術群と比べて有意に精液所見が良くなっている事が分かります。
では実際、顕微授精の成績はどうなっているでしょう。
次回はその結果をご紹介したいと思います。
以下の記事もあわせてご参照ください。
精液所見がかなり悪い。どうせ顕微授精? その2
精索静脈瘤の病態と治療法について
(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)