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男性不妊情報
男性の睡眠時間によって、精液所見そのものはどれくらい変化しているものなのでしょうか。
今回はその疑問に答える研究をご紹介しています。
この研究では654人の男性被験者を対象として、睡眠時間と精液所見の相関について調査しています。
前回は精液量、総精子数ともに7-8時間がピークとなっているとお話ししました。
上の図は、
精液所見を睡眠時間ごとに分けて、年齢、BMI、禁欲期間、喫煙、アルコール摂取、、カフェイン摂取で調整して比率を見ています。
7-7.5時間睡眠を基準とすると、精液量だけは7.5-8.0時間の群の方が多くなっていますが、その他の精子濃度、総精子数、前進運動率、正常形態率のパラメーターでは7.0-7.5時間が最も良い所見の様です。
総精子数で見てみると睡眠時間が6.5時間以下の場合は7-7.5時間睡眠に比べて25.7%低下する事が分かります。
さらに9時間以上睡眠では39.4%も減少しているようです。
最後に、個人別に2013年から2014年にかけて睡眠時間が7-7.5時間に近づいた群と変わらない群、遠のいた群に分けて精液所見の変化を見ています。
上の表を見てみると、精液量はどの群でも有意差が無いものの、総精子数においては7-7.5時間に近づいた群で有意に増加していることが分かります(p=0.042)。
ということで、結論としては
・7-7.5時間睡眠が精子には最適。寝すぎも良くない。
・睡眠の改善によって精液所見の改善も見込める。
ということでした。
今月は精液所見が悪かったなーという方は睡眠時間がとれていたかについても考えてみてくださいね。
前回の記事もご参照ください。
(文責:医師部門 江夏 徳寿、理事長 塩谷 雅英)