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男性不妊情報

無精子症に対するTESEとMESA、どちらが良い? その1

無精子症に対する治療としては、

TESE(精巣内精子採取術)によって精巣より精子を採取し、得られた精子を用いて顕微授精を行う事が一般的ですが、

MESA(顕微鏡下精巣上体精子吸引術)という方法があるのをご存知でしょうか?

 

 

 

上の図の様に、TESEでは精巣を一部切開し中の精巣組織を取り出して、そこから精子を回収します。

一方、MESAでは精巣上体を一部切開しそこに細い針を刺して内用液を吸引し精子を回収します。

手術用顕微鏡で太い精巣上体管を選んで穿刺するため、顕微鏡下精巣上体精子吸引術と呼ばれます。

精子は精巣で作られ、精巣上体で運動能を獲得します。

そのため、理論的には精巣上体の精子の方が質が良いと考えられます。

その点ではMESAの方が良いと考えられますが、一方でTESEの方が組織が多く取れるため、回収できる精子の量ではTESEの方に分があると考えられています。

また、MESAの方がTESEよりも手技が煩雑であり時間がかかるというデメリットもあります。

では、どちらの手技が妊娠の成績が良いのでしょうか、あるいは変わらないのでしょうか?

次回はそのことについて調べた研究について紹介いたします。

 

(文責:医師部門 江夏徳寿、理事長 塩谷雅英)

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