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男性不妊情報
前回よりご紹介している卵管造影検査と妊娠の関係についての報告のつづきになります。
紹介している論文は下記のものです。
Tubal flushing for subfertility. (軽度不妊症に対する卵管疎通)
これは、イギリスのコクランライブラリー2015年版に掲載されているメタ解析の結果になります。
この研究では13の論文をメタ解析して卵管造影を行った群と行っていない群の妊娠率、出産率を比較しています。
上に結果を示していますが、油溶性卵管造影を行った群と無治療の群では卵管造影を行った群で3倍程妊娠、出産が多くなっています。
一方で水溶性卵管造影検査では、わずかに妊娠率が増えているものの有意な差はありません。
それでは当然水溶性と油溶性を比べたら油溶性の方で成績が良くなりそうですが、どちらとも言えないという結果でした。
ということで微妙に歯切れが悪い感じではありますが、結論は
・卵管造影検査は妊娠率を高める可能性がある。
ということでした。
検査の期間でもタイミングをとって有効に活用したいものですね。
以下のリンクもご参照ください。
英ウィメンズクリニックホームページ 子宮卵管造影
(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)