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男性不妊情報
体外受精において、受精卵を凍結せずにそのまま移植する方法を新鮮胚移植と呼び、
一旦凍結して後ほど移植する方法を凍結融解胚移植と呼びます。
また、受精卵を初期胚の状態まで2,3日培養し移植する方法を初期胚移植、
5,6日培養し胚盤胞の状態まで育ててから移植する方法を胚盤胞移植と呼びます。
そんなわけで、新鮮初期胚移植とは採卵後2,3日後に凍結することなく初期胚を移植する方法になります。
採卵日に移植の日を決めるわけですが、この時「2日後と3日後どちらにしましょうか?」と聞くことになります。
そういうと必ず「どっちが確率が高いんですか?」ということになるわけですが、基本的には「確率はどちらでも変わりありませんので都合の良い日で大丈夫です」と答えています。
とはいえ、患者さんにとって移植というのは苦労してたどり着いた大事な大事な日になりますので、どちらでも良いですと言われると「本当に大丈夫なの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、その根拠となるような研究についてご紹介したいと思います。
Day 2 embryo transfer (ET) and day 3 ET afford similar reproductive outcomes in the poor responder
(治療困難例における新鮮初期胚移植はday2でもday3でも同様の結果を得られる)
この論文はアメリカのMolina氏らが2011年のFertility and Sterility誌に発表した研究です。
治療困難例におけると断っている訳としては、基本的に卵巣予備能が高い方では高刺激により多くの卵子を回収して胚盤胞まで培養してから移植する事が一般的だからです。
そのため新鮮初期胚移植は、卵巣予備能が低く胚盤胞まで培養することがなかなか困難な場合に選択されることが多くなります。
論文のタイトルが結論を現していますが、実際にどのような結果が出たのかを次回お話いたします。
関連の記事もご参照ください。
新鮮胚移植? それとも 凍結胚移植? どちらがいいのでしょう?
(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)