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男性不妊情報
前回は、同年代間や同一人物の別周期で染色体正常率はどれくらい違うのか、ということで
Intra-age, intercenter, and intercycle differences in chromosome abnormalities in oocytes.
(同年代間の施設別、周期別にみた染色体正常率の違い)
という研究論文をご紹介し、各年齢層における染色体正常胚の割合を見ると、同年代でも正常胚率にかなりバラツキがあること、同一人物でもかなり差があると考えらることをお話ししました。
続いて、1周期目と2周期目で得られた染色体正常胚の個数の違いを見てみると、全体で35%の方が2個以上違っているという結果でした。
この違いに関しては、刺激法の違いなども関与していると考えられますが、いずれにせよ同じ人物に体外受精を行った場合でも周期によって結果が大きく違ってくることが往々にしてあるという事を示しています。
という事で結論としては、
・年齢だけで体外受精の結果が予測できるわけではない。
・同一人物でも周期によって違う結果になることがある。
という事でした。
体外受精で良い結果が得られない場合でも、他の方法で良い結果が得られる事は臨床でも良くあることですので、個人個人にあったベストの治療法を選択していきたいものです。
以前の記事もご参照ください。
(文責:医師部門 江夏徳寿、 理事長 塩谷雅英)