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男性不妊情報

受精障害を改善。カルシウムイオノフォアの効果 その2

今回はカルシウムイオノフォアの効果について検証した研究をご紹介しています。

 

Does the use of calcium ionophore during artificial oocyte activation demonstrate an effect on pregnancy rate? A meta-analysis

(卵子刺激の際に用いるカルシウムイオノフォアは妊娠率に影響するのか?メタ解析の結果)

前回の受精障害を改善。カルシウムイオノフォアの効果 その1では、受精率についてカルシウムイオノフォアを行わなかった群では受精率が47.4%と低い水準であったのに対して、カルシウムイオノフォアを用いた群では59.2%と有意に高い水準になっていたことをお話ししました。

 

次にカルシウムイオノフォアの効果が妊娠率、出産率にどのように影響するのかの結果を紹介しましょう。

 

 

上の表は実際の妊娠率を比較したものになります。

これを見ると、Caイオノフォアありの群で妊娠率が高くなるという報告が多く、全体ではカルシウムイオノフォアありの方がオッズ比3.48倍(95%信頼区間1.65-7.37)となっています。

これは受精率のオッズ比と同様であり、受精率が上がった分だけ妊娠率も上がったと考えられます。

 

 

最後に出産率を比較してみると、やはり先ほどの妊娠率と同様にCaイオノフォアありの群で出産率が高いという報告が多く、全体ではオッズ比3.33倍(95%信頼区間1.5-7.39)となっています。

先ほどの妊娠率の場合と同様に、受精率のオッズ比とほぼ同様であることから、受精率の高さがそのまま妊娠率まで反映されたと考えられます。
ということで結論としては

・Caイオノフォアは受精率、妊娠率、出産率を向上させる。
・受精障害のある場合に有効な手段と考えられる。
ということでした。
当院でも受精率が低い方にお勧めすることがありますので、参考にしていただければ幸いです。
関連の記事もご参照ください。

受精障害を改善。カルシウムイオノフォアの効果 その1

卵子が授精するためのお手伝いとして

 

(文責:医師部門 江夏 徳寿、理事長 塩谷 雅英)

参考情報