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男性不妊情報
女性の年齢や血中AMHの値は受精卵の質(受精卵の染色体正常率)に関連する事が明らかになっていますが、それでは精子の質はどのように関係しているのでしょうか?
そのような疑問について実際に調査した研究をご紹介しています。
Effect of the male factor on the clinical outcome of intracytoplasmic sperm injection combined with preimplantation aneuploidy testing: observational longitudinal cohort study of 1,219 consecutive cycles
(顕微授精における染色体正常胚の割合と精子所見の関係:1219周期の縦断的観察試験)
前回は、精液所見別に顕微授精後の、受精率、胚盤胞発生率、着床前診断による染色体正常率を見た結果をお話しました。
では、胚移植後や妊娠後の経過は精液所見と関連があるのでしょうか。
上の図は精液所見別に見た、胚移植後および妊娠後の経過です。
まず妊娠率を見ると、無精子症群で低くなっている事が分かります。
一方で、妊娠後の流産率は各群で差はありません。
結果として出産率は妊娠率をそのまま反映して無精子症群で低くなっています。
ということで、結論としては
・精子の所見が悪いと受精率、胚盤胞発生率が低下する。
・胚盤胞になってしまえば染色体正常率は変わらない。
・妊娠後の流産率は精子とは関係しない。
ということでした。
やはり顕微授精が必要な場合でも精子力は少しでも高い方が顕微授精の成績が良くなるという事です。
なかなか良い受精卵ができない場合は、卵子の質を高めるだけでなく、ご主人の精子の質も高める努力が必要であるという事を知っていただければ幸いです。
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(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)