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初期胚移植か胚盤胞移植か!? どちらが良いのでしょうか。 採卵1回あたりの妊娠率は

今回は初期胚移植にするか胚盤胞移植の違いと、どちらが成績が良いかについて調べた下記研究について紹介しています。

(前回までの記事は下方のリンクよりお読みいただけます)

 

Cleavage-stage or blastocyst transfer: what are the benefits and harms?

(初期胚移植か胚盤胞移植か:それぞれのメリットとデメリットは?)
前回は、移植1回あたりの結果で見ると、胚盤胞移植の方が出生率が高いものの、そこには凍結された受精卵や逆に発育せずに移植に至らなかった症例が含まれていないというお話をしました。
今回はそのあたりも含めて見ていきます。

 

 

上の表は凍結胚が得られた割合を初期胚と胚盤胞で比較したものです。

前回とは逆に初期胚凍結の方が全体的に結果が良くなっており、トータルでみても初期胚の方が有意に凍結できる割合が高くなっています。

これは、初期胚の方が多くの胚が得られるため余剰胚ができやすい事を示しています。

 

 

続いて、受精卵が成熟せずに移植できなかった割合を比較しています。

先ほどと同様に、全体的に初期胚移植の方が結果が良く、トータルで見ると初期胚移植の方が有意に移植できなかった割合が低い事が分かります。

 

 

最終的に、採卵周期1回あたりの妊娠率で比較してみると上の表の様に初期胚移植と胚盤胞移植の間に差がない事が分かります。
ということで、結論としては

・移植1回あたりの妊娠率は胚盤胞移植の方が高い
・得られる受精卵の個数は初期胚の方が多い
・トータルで見た妊娠率は初期胚と胚盤胞に差がない
という事でした。
明らかな優劣がないからこそ選択肢として存在するわけですが、その中でも今までの治療経過などから目の前の患者さんにあった、より良い方法を提案できれば良いなと考えながら診療しています。
 

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ハナブロ テーマ 凍結融解胚移植

ハナブロ テーマ 二段階胚移植・SEET

 

(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)

参考情報