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男性不妊情報
前回クラミジア感染の診断について、クラミジアのDNAを検出するPCR法を紹介し、この検査では尿道や子宮頚管以外の感染や感染の既往については発見できないというお話をしました。
そのため血液検査で抗体価を測定する方法も適宜追加して行うことがあります。
その際対象となるのがIgA、IgGという2種類の抗体になります。
一般的にIgAは感染2週間で上昇し約半年で消えるのに対し、IgGは1ヶ月後から上昇し数年間持続します。下記にIgAとIgGにおける感染の考え方を示します。
いずれの場合においても、子宮頸管粘液や尿中のクラミジアPCRが検出された場合は夫婦そろっての加療が推奨されます。
治療法に関しては、抗菌薬内服が一般的です。
現在最も用いられているのはアジスロマイシン(商品名:ジスロマック)の内服です。
これは1000mgを1回内服するだけで良いので、簡便であるうえに、飲み忘れや途中で服用をやめるなどによる中途半端な治療を防ぐことができるため耐性菌防止の意味でも良いと考えられています。
また男性の尿道炎の場合は、淋菌感染症を合併している場合も多くあるため、アジスロマイシン2000mgの内服を用いる事でクラミジア、淋菌を同時に治療する事もしばしば行われます。
この様に、感染初期であれば比較的容易に治療できるのですが、知らずに感染していた場合、特に女性では不妊症の原因となる事があります。
次回はクラミジアと不妊の関係についてお話ししたいと思います。
(文責:医師部門 江夏徳寿、理事長 塩谷雅英)
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(文責:医師部門 江夏徳寿、理事長 塩谷雅英)