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男性不妊情報

そもそも受精ってどこでおこるの?

体外受精や顕微授精は卵子を取り出して人工的な場所で受精させますが、自然妊娠ではどこで受精が起こって初期胚、胚盤胞の時期はどの位置にいるかご存知でしょうか?

これは意外と知られておらず、子宮の中で受精が起こると思っている方も多いかもしれません。

実は私も生殖医療を専門にするまでそう思っていました(大学で習っていたはずなのにお恥ずかしい)。
ということで、本日は図を用いて排卵から受精、着床までを説明していきたいと思います。

 

以前、女性なのに男性ホルモンが多いってどういうこと? その1その2でお話ししたように、卵胞は排卵日にかけてだんだん大きくなって排卵します。

排卵した卵子は卵管に吸い込まれるように回収されます。

 

その頃、精子は膣から子宮を経て卵管の先端付近まで泳いできて、ここで受精します。

 

ということで、表題の答えとしては

・受精は卵管(卵管膨大部)で起こる
でした。
さて、受精卵となった卵子はここから5日ほどかけて卵管を進んでいき、胚盤胞となり子宮にたどり着いた後に着床します。

体外受精ではこの過程をスキップすることができるため、卵管が詰まっていたり、精子の運動能が低い場合でも妊娠することができます。
ほんの1mmにも満たない精子と卵子にとって約10cmの卵管の旅は長い冒険かもしれませんね。

 

(文責:医師部門 江夏 徳寿、理事長 塩谷 雅英)

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