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男性不妊情報
クロミフェン(クロミッド®)は不妊治療において最も良く使用される薬剤のひとつですが、
男性でも使用されることがあります。
本日は男性におけるクロミッドの使用について報告した論文を紹介したいと思います。
Enclomiphene citrate stimulates testosterone production while preventing oligospermia:
a randomized phase II clinical trial comparing topical testosterone
(クロミフェンは乏精子症を防ぎつつテストステロンの産生を刺激する。経皮テストステロン製剤との比較によるフェーズⅡ試験)
この論文はWiehle氏らが2014年にFertility and Sterility誌に発表した臨床研究になります。
対象者は男性ホルモン(T;テストステロン)が低い男性(<300ng/dl)124名で、
クロミッド12.5mg群、クロミッド25.0mg群、経皮テストステロン群、プラセボ(偽薬)群の4群にランダムに分けて調査しています。
調査対象となった項目は薬物投与前後の血中LH、FSH、T値および精液所見の4項目です。
まずはこの研究対象となった方の背景を見てみましょう。
この研究は不妊治療としてではなく、低テストステロン血症に対するクロミフェンの効果を見る事が主目的であるため、平均年齢は50歳位と高めです。
乏精子症の方はクロミフェン12.5mg群で5人、25mg群で1人、経皮テストステロン群で6名、プラセボ群で2名と少なめです。
対象者は白人が多く、平均身長176cm、体重100kg位と、やはりアメリカ人は大きいなという印象です。
全体のうち、きちんと薬を飲み終わった方は60%とやや少なめです。
理由として、クロミフェン25mg群では副作用がやや多いようです。
クロミッドやテストステロンを投与することで各項目はどのように変化するのか、次回はその結果をお話しします。
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(文責:[医師部門] 江夏 徳寿 [理事長] 塩谷 雅英)