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男性不妊情報
ビタミンDについては以前もハナブロで取り上げていますが、とても関心の高いテーマなのであらためて少し違う切り口であらためてご紹介していきたいと思います。
数あるビタミンの中で、ビタミンDは血中のカルシウム濃度を上げたり、免疫反応に関与しています。
他のビタミンと違う特徴として、ビタミンDはコレステロールを原料として人体内で合成できるのですが、最終的には日光によって皮膚で合成されるという変わった特徴を持っています。
実は、最近ビタミンDが不足している若年女性が多いと言われています。
その背景としては、美白志向によって日光を避ける方が増えている事や、ビタミンDを多く含む魚類をあまり食べなくなってきていることが影響していると考えられます。
ちなみに、必要なビタミンDを作るために必要な日光とは一番日光の強い7月で10~20分程度、逆に日光の弱い12月では札幌で139分、茨城で41分、沖縄で14分と報告されています(日焼け止めクリームを用いずに顔と手のひらに浴びた場合:国立環境研究所調べ)。
また、ビタミンDを作るのに必要なのは、日光の中でも紫外線とされています。
室内灯として多く用いられる蛍光灯には紫外線は日光の1/1000程度しか含まれていないため、室内ではほぼ生成されないと考えられます。
とはいえ、この炎天下に10分程度とはいえ直射日光を浴びるのは抵抗がある女性は多いのではないでしょうか。
その様な場合は食事で補うという方法があります。
ビタミンDが多い食品としては、シイタケや魚類などがありますので、週に2,3回ほど和食をとると良いかと思います。
それでも不足する場合は、サプリで補うという手段もあります。
ただ、ビタミンDは脂溶性ビタミンですので、水溶性ビタミンであるビタミンCなどと違い、過剰に摂取しても不要な分は尿中に排泄するということができません。
そのため、過剰症になる可能性もありますので、サプリをとる場合は使用量をきちんと守るようにしてください。
ちなみに、日光によるビタミンD生成は、ある濃度に達すると生成されなくなるため、日光の浴びすぎで過剰症となる事はありません。
次回は、ビタミンDと妊娠の関係についてお伝えしたいと思います。
以前の記事もご参照ください。
(文責:医師部門 江夏 徳寿、理事長 塩谷 雅英)