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男性不妊情報
前回、日光足りてます?ビタミンD足りてますか?という記事で、ビタミンDは日光によって皮膚で作られるビタミンであるため、現代の女性では不足しがちであるという事について紹介いたしました。
以前にもビタミンD濃度が高いほうが妊娠成績は良くなるで、ビタミンDと妊娠の論文を紹介しましたが、今回はまた別の研究をご紹介したいと思います。
Association of vitamin D intake and serum levels with fertility: Results from the Lifestyle and Fertility Study
(ビタミンD摂取と血中濃度、妊娠の関係:ライフスタイルと妊娠の研究から)
これは、レバノンとアメリカの研究者らによって2017年にFertility and Sterility誌に報告された研究です。
対象となったのは、ボストンとフィラデルフィア、レバノンに住む妊活中の女性132人とそのパートナーです。
この調査では、問診によって食事内容と摂取サプリの内容からビタミンDの摂取量を推定しています。
求められたビタミンD摂取量は、アメリカのビタミンDの推定平均摂取量である10μg/日を基準として多いか少ないかを比較しています。
また、調査開始時に採血によって血中のビタミンD濃度を測定しています。
この血中ビタミンD濃度についても基準レベルとされる50nmol/Lと比較して多いか少ないかで群分けして検討しています。
まず、ビタミンD摂取量が基準を満たしている群と満たしていない群で、群分けしたところ37.1%の女性がビタミンD摂取不足と考えられました。
また、男性ではさらに多く、70.0%が摂取不足と考えらました。
上の表ではこの群分けを基にして他の因子を比べています。
これを見ると、喫煙、運動、アルコール、ビタミンD、摂取カロリーなどはビタミンDの摂取十分な群と不足群で差は無いようです。
一方で鉄分、葉酸の量についてはビタミンD摂取十分な群で多くなっています。
これはビタミンD摂取十分な群ではサプリを摂取している方や、食事のバランスを気にしている方が多いため、鉄分、葉酸なども一緒に摂取しているということに起因すると考えられます。
次回は妊娠、出産の比較を見ていきましょう。
以前の記事もご参照ください。
(文責:医師部門 江夏 徳寿、理事長 塩谷 雅英)