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男性不妊情報
前回よりレトロゾールの安全性を検討した研究を紹介しています。
レトロゾールの出生児への影響を調べた研究のひとつで下記の報告です。
Congenital Malformations among Babies Born Following Letrozole or Clomiphene for Infertility Treatment.
(レトロゾール、クロミフェンによる不妊治療と出世児の先天異常の関係)
この研究では自然妊娠によって生まれた子供171名、クロミフェン療法後の子供251名、レトロゾール療法後の子供201名を比較しています。
今回は出生児の先天異常に関する結果について見てみます。
上の表は出生児の先天異常の割合を見ています。
そこで示されたように、レトロゾール、クロミフェンともに先天異常の割合は自然妊娠と差がない事が確認されました。
より詳しく形態異常、染色体異常についても調べていますが、いずれも自然妊娠と差はないという結果になっています。
これらの結果から
・レトロゾール(フェマーラ®)、クロミフェン(クロミッド®)ともに出生児の先天異常を増加させることはない。
という結論になっています。
これらの知見より、レトロゾールについても排卵誘発剤として安全に使用できると考えております。
今後更に安全性に対する研究が進み、本邦でも保険適応が認められるようになる日が待ち望まれます。
以前の記事はこちらからお読みいただけます。
(文責:医師部門 江夏徳寿、理事長 塩谷雅英)