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男性不妊情報
アイコスに代表される加熱式タバコの不妊への影響はどうなんでしょうか?
ということで、前回はひとまず現時点で分かっている情報を検証してみようということで、
フィリップモリス社のICOSと従来のタバコ(ラッキーストライクブルーライト)を比較して、吸引する煙に含まれている化学物質を比較して検討した研究を紹介しています。
さて、結果を見てみましょう。
上の表に加熱式タバコ(アイコス)と従来のタバコ(ラッキーストライクブルーライト)の煙に含まれる化学物質の量が比較されています。
まず、ニコチンの量は従来のタバコの84%とあまり変わらないようです。
これはタバコの種類によっても違いますので、基本的にはほとんど同じと考えて良いでしょう。
上の表ではタールの表記がありませんが、タールとはその他の化学物質の総称になります。
これで見ると、3/4程の物質は9割方減っているようですが、アクロレインやベンズアルデヒド、ホルムアルデヒドなどはあまり従来タバコと変わらないようです。アセチルナフチレンに至っては従来のタバコの2.95倍となっています。
総合的にみて、実際の健康被害はどうなのか?と言われると、結局どれほど影響があるのかは分かりません。
ただニコチンやタールの一部は従来のタバコと同様に含まれている事が分かりましたので、
少なくともアイコスだからOKということにはならないと考えられます。
次回はニコチンそのものが精子に与える影響についてご紹介したいと思います。
過去の記事もご参照ください。
(文責:医師部門 江夏徳寿、理事長 塩谷雅英)